埼玉武蔵野GIAHS世界農業遺産の旅〔市民研エコスタディツアー〕

国内ツアー2024/01/20

共催:NPO法人市民科学研究室
旅行企画・実施:株式会社旅倶楽部                    受託販売・運営:有限会社リボーン<エコツーリズム・ネットワーク>
協力(案):武蔵野の落ち葉堆肥農法世界農業遺産推進協議会ほか

世界農業遺産とは、国連食糧農業機関(FAO)が、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった世界的に重要な農業システムを認定するものです。埼玉県地域は昨年7月に日本で15番目(関東初)の世界農業遺産となりました。

埼玉県武蔵野地域は、江戸時代の人口増加に伴う幕府の関東地方開拓の一環として、屋敷地・畑地・平地林を含む細長い短冊形の地割を以て開拓されました。痩せて栄養分の無い火山灰土の荒れ地であったこの地に植林を行い、平地林の落ち葉を使った伝統的な「落ち葉堆肥農法」により、330余年もの歳月をかけて少しずつ肥沃な畑地に変え、今日まで受け継がれています。

このツアーでは、武蔵野地域の落ち葉堆肥農法や文化を体感し、武蔵野の地で「百年一日」として代々続く伝統的なサツマイモ農園にて種イモの伏せ込み期の農園の様子を見学。また、地元の食材で作られた武蔵野ならではの昼食を味わいます。さらには、川越市のサツマイモまんが資料館の訪問や町歩きなどを通じて、武蔵野地方の歴史や景観に触れることができます。是非ご参加ください。

◆実施予定日:2024年3月16日(土)

◆行先:埼玉県武蔵野地域(三芳町、川越市)

~2月22日改訂~
◆参加費用:お一人9,000円税込(一般参加を歓迎します)
 全行程バス利用、昼食、世界農業遺産特別解説、農園視察含む。
(市民研育成塾生は市民研が半額補助)
 オンライン参加費用:5,000円税込(後日配信)

◆行程(予定):詳しくは最終案内でお知らせします。

JR川越駅西口 ウエスタ川越前  集合出発10:00=
世界農業遺産 埼玉県武蔵野地域 江戸屋弘東園・昼食=14:30
サツマイモまんが資料館&蔵の町川越自由散策
=16:00川越駅西口 解散

◆募集定員:20名(最少催行人員10名) 

※交通事情等やむを得ない事由により行程、内容等が変更になる場合がありますので予めご了承ください。

お申込はこちらから

【武蔵野の落ち葉堆肥農法とは?】

 埼玉県武蔵野地域は、江戸の急速な人口増加に伴う食糧不足を背景に、川越藩が1654年から行った開拓に端を発しています。水が乏しい台地のうえに、火山灰土のため栄養分が少なく表土が風に飛ばされやすいという、農業を行うには非常に厳しい自然条件を克服するため、見渡す限りの草原に木々を植えて平地に林を作り出し、落ち葉の堆肥利用、土壌飛散防止など複数の機能を持たせた、優れた農村計画による開発が行われました。この歴史的価値を有する平地林などの土地利用は現在まで受け継がれ、今も落ち葉堆肥を活用した持続的な農業が続けられています。
 また、管理された平地林はオオタカの繁殖地となっているほか、シュンランやキンランなどの希少植物にも良好な生育環境を提供しています。      (全文農水省HPより)

 落ち葉堆肥農法は、集めた落ち葉を寝かせ、何度も切り返して発酵・分解を進めます。発酵が進むと堆肥内部の温度が上がり、寒い冬空に湯気が立つくらい(50~60℃)にもなります。ここではおよそ3年もの時間をかけてじっくりと堆肥を細かく熟成させます。そしてよく熟成された堆肥は、ジャガイモ、里芋、長ネギ、小松菜、チンゲン菜、ほうれん草、サツマイモなどの豊かな実りを支えてきました。
江戸時代、360年前には不毛の地であったこの地を「農家が木を植え、森を育てながら暮らすこと」で豊かな畑地へと変えた先人の知恵は、現代の私たちに【持続可能な生活とは何か】を教えてくれることでしょう。


目的地① 江戸屋弘東園

表彰状の写真は、サツマイモ有識者により結成された審査委員会が全国のサツマイモ生産者に応募を募り、事前に提出された書類に加え、実際の生芋を使用した食味によって厳正に重ねた審査で決定される。その年の”特選生産者”に送られる「Farmers of the year」を日本さつまいもサミット2019−2020において受賞した際のものです。

今回のツアーでの目玉は【サツマイモ】、それも世界農業遺産の審査員たちも認めた味となれば、その味への期待も想像も膨らむことでしょう。ここでは、特別解説講師として最初の訪問先である江戸屋弘東園の第12代当主である伊東蔵衛氏から、江戸時代より300年以上続く「落ち葉堆肥農法」の現場である屋敷地+畑地+平地林(1軒の地割が約5ヘクタール)を案内していただきます。見学予定の3月中旬は種イモの伏せこみ時期という貴重な機会でもあります。

 また江戸屋弘東園では、ここでしか生産・販売していない希少品種の「花魁(おいらん)」をはじめ、伝統イモの「紅赤(ベニアカ)」、その他「シルクスイーツ」、「あいこまち」、「紅東」、「べにはるか」など、皆さんが一度は見聞きしたり、あるいは口にされたような多種多様な品種を生産しています。

 世界農業遺産の審査員たちを魅了した、とっておきの「川越いも」と狭山茶を楽しみながら、持続可能な暮らしのお話もうかがいます(希少品種の花魁は限定販売品のため、今回のツアーではご提供できません。予めご承知おきください)

目的地② 昼食:武蔵野うどん(手打ちうどん富)

埼玉県の名産品といえば、武蔵野うどんや狭山茶です。
特にうどんは武蔵野の地域では冠婚葬祭でも振る舞われ、古くは「うどんが打てなきゃ嫁に行けない」と言われるほど、うどん文化が浸透していたそうです。温かい甘めのつけ汁で【盛り】として食べるのですが、その麺は一般的なうどんよりも太い四角で、硬い食感が特徴です。
今回のツアーの昼食では、埼玉名物の太麺うどんと伝統いもベニアカ(紅赤)の野菜天ぷら+いもアイスという、手打ちそばうどん富と江戸屋弘東園のコラボによるGIAHS審査員も魅了した特別ランチを計画中です。乞うご期待!

目的地③ サツマイモまんが資料館&川越いも学校と
     小江戸の散策

 川越地方〈川越市・三芳町・坂戸市など〉は「川越地方サツマイモ商品文化世界一宣言」を行うほどサツマイモの歴史・文化・商品数などがあふれ「サツマイモ天国」とも呼ばれているそうです
そんな川越市の中心部近くに立地するサツマイモまんが資料館&川越いも学校では、地元川越生まれ川越育ちでサツマイモ文化研究家の山田英次氏、或いは東京国際大学名誉教授であるベーリ・ドゥエル氏のダブル館長を特別解説講師として、川越いもの歴史文化やサツマイモの世界をイラストを交えながら判りやすく説明していただきます。 
その後は、小江戸川越の町並みを散策しながら昭和の匂い漂うモダンレトロの雰囲気を楽しんで頂きます(自由行動時間)。

第1回市民研エコスタディツアー(天ぷらバスで巡る世界農業遺産山梨峡東)
カテゴリから関連する記事をさがす
お知らせ国内ツアー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。