新しい年がスタートしました。まずはご縁のある皆様がお元気であることを願っています。
そして、いつもならば昨年の旅の思い出を列記し、新たな旅の思い出作りをお誘
いするのですが、さすがの図々しい私でもそんな気持ちにはなれない年の初めです。

　旅はロマンチック、センチメンタル、エキサイティング、ハートフル、そして
いろんなことを学ばせてくれます。

　悔し紛れに叫びますが
　「旅は準備をしている時が一番楽しい！」

　どうぞお命をお大事に、良い年であることをお祈りします。

　　　　　　エコツーリズムプロデューサー　壹岐健一郎

　偶然見つけた記事に、スペイン北部で発見された43万年前の人間の先祖の骨から、人間も冬眠をしていた可能性を立証する記述がありました。熊のように新陳代謝を抑制して過ごしたようです。効率的な冬眠すらまともにできませんので、
地味な報告だけをさせていただきます。

コロナ鎖国下でも少しだけ実現した旅もありました。
ボルネオ島キナバル山と熱帯雨林はロックダウン直前に訪ねましたが、今はガイドたちも一部は森林整備に転職しているようです。環境破壊の元凶にも例えられる油やしは流通価格の下落により投資が減り、開発が停まっているようです。
熱帯雨林は守られ、野生動物は喜んでいるでしょうか。
一方、そのパーム油や木材を輸入してバイオマス発電を行っている日本の新興大手旅行会社がいることを知らされて情けなくなりました。
GOTOトラベル停止前に訪ねた屋久島の世界自然遺産地域では例年以上に多くの猿と鹿に遭遇しました。というよりは彼らに囲まれたといえるような状況を体験しました。共生とはどの程度のことをいうのかも車が立ち往生している時間に考えました。

昨年はウクライナに行く予定でしたが、実現しなかったので、レンタルした
長編映画「CHERNOBYLチェルノブイリ」（約5時間）をじっくり観ました。
特に鮮烈なシーンや台詞はどうしても再生してしまいました。
ホラーやバイオレンス映画は好きではない自分がなぜ、
正月ののんびりした時期にこんな映画を借りてまで観たのか？
ツアー参加希望者からのお薦めでしたが、名作映画「ひまわり」の美しい景色は修羅場に変わっていて、フィクションであってほしいと願わざるを得ませんでした。それが35年前。福島はたった10年前の出来事です。

　約10年通い続けてきた福島には11月、一度だけ行くことができました。コットンの収穫を手伝うことで自分自身が癒されるありがたさを味わえました。でも
油断できません。コロナのせいにしているうちに、人間の責任逃れをしてしまう愚かさは許されません。なぜなら、35年前のチェルノブイリの惨禍の原因は人間の「嘘」だったからです。10年前の福島にも通じるものがないでしょうか。
早くコロナを克服して自分の五感で真実を見極めたいものです。
今はウクライナも福島もいろんな意味で行く時期を待っています。

　9月に行くはずだったフランスにはも当然行けませんでした。映画「未来の食卓」のバルジャック村の村長さんとのお約束は今年の3月に延期しましたが、
それもまた、早くて1年再延期となります。それでも、この機会にもっと地元を見直し、じっくり農業者と消費者の連携（TEIKEI）を学びなおして、訪ねたいものです。

繰り返しますが、　旅はロマンチック、センチメンタル、エキサイティング、ハートフル、そしていろんなことを学ばせてくれます。

悔し紛れに叫びますが
　「旅は準備をしている時が一番楽しい！」

どうぞお命をお大事に、
いつか見た旅の空を思い描きながら
皆様にとって良い年であることを祈ります。